萩原裕子先生のこと (どなたでも閲覧できます。)
私が「英語でピアノ」のレッスンを始めたとき、Jacob Koller氏に言われたこと、「藤沢にとっても熱い先生がいるよ。アメリカのメソッドを使ってレッスンをしていて経験豊富だから一度会って話してみるといいよ。」と。
それが萩原裕子先生でした。
その前からホームページやブログを拝見していたので、「あ、あの先生だ!」ということで、すぐにメッセージを送り、ちょうどJacob のコンサートにお互い行く予定だったので、コンサートのあとロビーでお会いしました。
初めて会ったばかりの私に、アメリカのテキストのこと、アメリカの教育法のこと、英語の取り入れ方など一気に話してくださいました。
その時の私はまだまだ知識も少なく、どのくらい理解できていたかわかりませんが、とにかくJacob が言っていた「熱い先生」という言葉がなるほどピッタリ!と思ったのを覚えています。
その後、萩原先生のレッスンを見学に2度ほどお邪魔しました。
萩原先生のレッスンは、とても穏やかでゆったりした落ち着いた雰囲気で、でも45分レッスンの中に、いろいろな要素がバランスよく取り入れられていて、英語も無理矢理使うのではなく、生徒さんそれぞれの理解度に合わせて使っていらっしゃいました。
生徒さん全員が同じテキストを使っているわけでもなく、姉妹でもお姉さんはアドベンチャー、妹さんはセレブレイトピアノ、などという風に生徒さんによってテキストを使い分けているのも私にとっては新鮮でした。
見学の後は、たくさんのアメリカのテキストや楽譜、絵本などを見せてくださり、まだ日本では手に入りづらいテキストを譲ってくださったり、本当に勉強になり有り難かったです。
また、「アメリカのテキストを使うならペースメソッドというテキストが基本にあるので勉強した方がいいですよ。」と言われ、ペースメソッドの勉強会にもご一緒させて頂きました。(ペースメソッドのことについては、いずれまた専門の先生にコラムをお願いしたいと思っています。)
しばらくしてピアノアドベンチャーがネット上で広まり、まだ英語版しかなかった頃に萩原先生のアドベンチャーセミナーにも何度か参加させていただきました。
先生のセミナーは、ただテキストの曲や使い方の説明だけでなく、曲の背景にあるアメリカの文化や風習、また実際にアメリカにお住まいだった頃のお話を音楽に交えてお話ししてくださるのがとても興味深く、音楽の背景を知ることの大切さを教えていただきました。
その後も私が作ったFACEBOOK 内の「英語でピアノの先生ネット」というグループで、いつも豊富な知識を惜しみなくシェアしてくださり、グループのリーダー的な存在でした。
何かわからない時、困った時は萩原先生に聞けば答えてくださるという安心感がありました。
そして、この「英語でピアノ」サイトを立ち上げる時も、先生にご相談して、コラムを書いて頂くことになっていました。
2月末にコラムのタイトル、見出し、萩原先生のプロフィール、写真を送っていただき、私も萩原先生のコラムを楽しみにしていました。
ところが、3月に入って以前からのご病気が急変されたそうで入院、残念ながら2019年3月21日にご逝去されました。
本当に残念で悲しくてなりませんが、ここに萩原先生が残してくださった課題があると思い、先生のブログを読み返しながら、自分なりにコラムに書いていこうと決心しました。
萩原裕子先生が送ってくださったコラムの予定と、先生のプロフィールをご紹介させて頂きます。
次回から、私なりにこのテーマに沿ってコラムを書いていきたいと思います。
1. 日本の従来のピアノ指導法とアメリカのメソッドの違い
● 何を教えているか、何を学んでいるかを把握、理解する。
● レッスンの中にどのような要素が必要か
● レッスンプラン
● オールインワンと複数冊のテキスト
2. 読譜に関するアプローチ
● インターバリックリーディング
● 5フィンガーポジションとトランスポーズ
● 音名と階名
● アナライズの重要性とそのテクニック
● レタークリフ
● ランドマーク
3. Question and Answer 創作
4. 4期、および各ジャンルの曲
5. 音感教育
プロフィール 萩原裕子
アメリカ、シカゴ郊外のW. R. Harper College のDr. Cathy Albergoのもとでkeyboard pedagogy(鍵盤教授法)を学ぶ。帰国後 Celebrate Piano! Piano Adventure などの、アメリカのテキストを使ったレッスンを開始。
2009年にFrancis Clark CenterのPedagogy Conference で My First Piano Adventureが新譜として紹介されたのをきっかけにこの年から導入期のテキストとして使用を開始。その後もアメリカにおけるカンファレンスに出席するなどして、勉強を継続中。