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祝 コラム4周年!

みなさまこんにちは!猛暑の日や大雨の日が増えてきましたが安全にお過ごしでしょうか?今回は私がこちらのコラムをお引き受けしてからちょうど4年目に入ったということで、前回お知らせしていた出版の話は来月に回してちょっといつものアメリカ滞在記と違った路線で書いてみようと思います。

私のコラムは「英語とピアノで広がる世界」というタイトルで2020年7月に第1回がスタートしました。そして留学前から留学中、最近は博士号を取って州立大学の教員になってからのことをつらつらと書かせていただいています。

始めた頃はいつまで続くかな?と思っていましたが気がつくともう4年目でした。

「よくそんなに鮮明にいろんなことを覚えていますね!」と驚かれることもありますが、私にとってアメリカでの12年間は毎日が本当に刺激的で楽しくてしかたなかったので、コラムに書ききれなかった日常の些細な出来事もまだまだたくさん覚えているんです!

そもそもなぜそんなにアメリカに惹かれたのかと言えば、おそらくコラムの第1回目に書いた「ラジオ英会話番組との出会い」で衝撃を受けたから、というのが一番の理由だと思います。

また、私が日本の大学を卒業した頃は世の中が就職超氷河期で、一般的な就職活動すらしていない私はフリーランスでピアノを弾くだけでは生活していけないことが明らかでした。周りも同じような人たちばかりだったので、明るい未来を想像しにくい状況。だから憧れていた「自由の国アメリカ」に行くことで日本での色々な不安やしがらみから離れて完全に自分をリセットできるのだと思っていたのです。

そして行ってみたら・・・

本当に私のことを誰も知らない土地で、人と話し、ピアノを弾く。それだけで私の世界はどんどん広がっていきました。私のように他の国から来た留学生と話をすればアメリカ以外の国についても知ることができたし、引越しを繰り返したおかげで友達はアメリカ中にできました。その一方で、12年間ずっと一人暮らしだったのでアパートに戻れば完全に自分だけの空間と時間を持つことができ、気兼ねなく食べたいものを食べられたし寝たい時に寝られました。大学卒業後ずっと日本にいたら絶対できなかった経験でした。

ちなみに冒頭の写真は私が教員になった年に住んでいたオンボロアパートから引っ越した2年目のアパートです。そしてこちらはアパートの私専用の庭(夏と冬の景色)です。

アパートの中をちょっと公開するとこんな感じでした!

もちろん英語でもピアノでも失敗は山ほどありましたが、アメリカは本当に親切な人が多い国なのでいつも誰かが助けてくれるのです。まだコラムには登場していませんが、州立大学の教員時代にヨーロッパの国々を1人で1ヶ月ウロウロしたことがありました。その時「あぁ、これがアメリカだったら絶対誰か助けてくれるのに・・・涙」という失敗をたくさんしました。

そしてアメリカに戻った時にはホッとする、というぐらい私はアメリカに育ててもらったという感覚があります。

それと同時に日本のことを外側から見るという経験も大事だったと思います。まず驚いたのが、日本ではアメリカのニュースをしょっちゅう取り上げるのに対して、アメリカのニュースに日本の話題が出てくることはほとんどないということです。そんなに気にしてもらえていないのか?と気が抜けるほど一般の人は日本のことを知りません。特に私が住んだ田舎の街ではそういう傾向が強いと感じました。

だから自分が母国のことをしっかり伝えられるようになっていなければいけないと思わされる場面に何度も遭遇しました。例えば、「あなたはどんな宗教を信じているの?」ときかれて、神様も仏様もいてクリスマスにはサンタクロースもやってくる日本で育った私ははっきり答えられませんでした。「一応仏教徒なんだけど何宗か覚えてないので親に電話して聞いてみないとわからない」と言ったら大笑いされました。

また、「日本人はなぜ家に入る時靴を脱ぐの?」ときかれても何と答えれば良いのかわからず困りました。ただ「それが当たり前だから」とか「家が汚れるから」では相手は納得しません。その時はその場にいたブラジル人の友達が「家は何か神聖な場所という意味があるんじゃないの?」と言ってくれて私の方が「そうなのか!」と納得したのでした。

そんな感じで日本のことを外から見ると不思議なことがたくさんあるんだなということに気づかされることは多々ありました。

日本の「当たり前」は外国では全然通用しないということを知って、頭も心も鍛えられた気がします。何か困難なことにぶつかった時に自分の常識とは全く違う考え方があるかもしれないと思えたり、自分のやりたいことはこれだから実現するためには誰にどういう風に相談すれば良いかと考えられるようになったと思います。

とは言え私が経験したことは音楽を中心とした世界だけなので、世の中のことが全てわかるようになったということではありませんが、短期間の海外旅行ではなくある程度の期間外国に住んでみるということは自分の子供達にも生徒さんたちにもぜひ経験してもらいたいなと思っています。

さぁ、来月からまた教員時代のエピソードをお送りします!次回は私に舞い込んできた出版の話について書きたいと思います。お楽しみに!

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