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「Kids’Jazz Festival」に向けてのレッスン(1) (どなたでも閲覧できます。)

バリー・ハリス氏を招いて行った「Kids’Jazz Festival」に向けてのレッスンのこと(1)

こんにちは、ファーグソン かつみです。

今回は、今年10月13日に行った「Favore Kids’ Jazz Festival with Dr. Barry Harris 2019 ファヴォーレこどもジャズ祭り」に向けて行った、普段と異なるアプローチも含んだレッスンのことや、開催に至るいきさつなどを、個人のブログに書いた内容に加えてもっと詳しく綴ってみたいと思います。

個人のブログ記事はこちらです。

(*書き始めたら、少々長くなってしまいましたので、その壱・その弐、と分けて記事とさせていただきます。)

Dr. Barry Harris ( バリー ハリス ) は、もう数少なくなった、ビバップジャズ音楽の全盛期を過ごされたジャズピアニストの巨匠の一人とも言われています。

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その バリー・ハリス氏と知り合ったのは 13年前のこと、2006年に日本の山口県萩市で行われた大きなジャズワークショップがきっかけだったんです。それは10日間ほどにおよび、老若男女多くが集うサマーキャンプのようなものでした。

それまでは、バリー・ハリスの音楽はおろか、日常生活の中ではジャズ音楽をあまりじっくり聴いたことがありませんでした。当時、さらなる幅広いジャンルの音楽の勉強をしたい、という希望もあり、大分県出身のジャズピアニストの野本秀一先生に音楽理論とジャズピアノを習っていたところで、先生のお勧めでバリー・ハリスのワークショップに参加することを決めたんです。

私自身は元々クラシック音楽を勉強してきた講師。しかも、ビバップジャズ音楽のことは本当に何も知らなくて・・・。

そのワークショップでは、大人の部&小中学生の部とにまず分けられ、ジャズピアノコースの他に、ジャズベースのコース、ヴォーカルのコース、ジャズドラムのコース、などなど様々なコースが開講されましたが、私はヴァイオリンで参加しました。募集楽器のリストには確か「ヴァイオリン」は書いて無かったんですよね。

しかし、イヴェントを主に動かしている方を幸運にも知ることができ、直接聞いたんです。ヴァイオリンでも参加して良いか?って。音源のオーディションはあるから、それをパスすれば大丈夫だろうよ、とのことで早速申し込みし、幸運にも音源のオーディションにはパス!参加できることになりました。

ヴァイオリンで参加している人は、きっと私一人だけか、もしかするともう一人いるか居ないかだろうな・・と思いましたが、子供の部に数名のヴァオリンの参加者がいました。

その当時の日本ではまだ、現在ほどヴァイオリンでジャズを演奏する人は居なくて、参加したみなさんからも、とても珍しがられました。私達ヴァイオリンの受講生は、バリー ハリス氏の行う『ピアノクラス』に混じって参加する事になりました。

そして、ワークショップの時は、バリー氏がよくこちらの火曜日のクラスでも行うことなのですが、譜面は使わずに「これをリピートしてみて!」といきなり、何かフレーズを演奏して、それを生徒さんに演奏するように言います。

私はこれ、クラシック畑出身ながらも、幼少期は昔ながらの鈴木メソッド方式で、耳から入る音楽学習の方法で育っているので難なく出来ましたが、子供の部で参加していたヴァイオリンのお子さんが、これがなかなか出来なくて、どうやらバリー氏の前で、悔しさと不安のあまり号泣してしまったらしいのです。譜面を読み、その通りに弾くことをまず学習していたようでした。ちなみに、その子の当時のヴァイオリンの先生はプロの交響楽団で演奏している本格的な奏者の方。

バリー氏は常々、クラシックのそれらの方向性の教育のみを受けてきた奏者に対して即興演奏や譜面無しでの演奏の仕方を伝えることの難しさについて言及していました。

この、泣いてしまったお子さんの受けていたヴァイオリン教育のように、クラシック音楽教育の現場では、『まず譜面が読めること』『譜面の、その通りに弾けること』等を、第一の優先課題のように思われている先生も多いと存じます。ご父兄の中にも『楽譜が読めるようになるように』というリクエストを、レッスンの条件にされる方もいらっしゃいました。

一方で、最近はまた「聴いた音楽を、譜面がなくても真似して弾けるスキル」や「即興演奏のスキル」にも、目が向けられるようになっていると思います。これは、先生方がそれを得意としていなければ、もう伝えることはできないスキルでしょうか? 実際、そうとは限らないようです。

レッスンの方向性次第だと思います。

これらのことを振り返り、今回のジャズフェスティヴァル&ジャズワークショップに向けては、毎週のように課題の曲を、譜面を使用してリハーサルで取り上げること以外にも、譜面とは離れて、提案した音やリズムを真似して弾く練習もしました。オウム返しというのかな、短いフレーズの演奏を聴いて、すぐに真似して弾いて、というのを同じテンポを保ちながら繰り返し行うんです。

もし、生徒さんが同じフレーズを真似できなくても、決して「違う」「弾きなおしましょう」という言い方を、私は極力避けました。もう一度同じフレーズをさりげなく提案したり、全く別のものだったとしても「今のも楽しいフレーズだね!」とポジティヴなコメントを添えるようにしました。

そうしているうちに、わざと私が提案したフレーズとは異なるフレーズを考えて返してくるようになる子もいました。そういうコミュニケーションの楽しい記憶は、きっとクリエイティヴィティへと繋がっていくのかな、と思いました。「あ、この子はふざけているな!」と決めつける前に、どうしたらポジティヴな結果に繋がるか?というポイントを大事にしようと方向性の設定をしました。

もし、先生ご自身が即興演奏は苦手で、すぐにそういったフレーズの提案が難しいようでしたら、あらかじめ暗譜しているメロディや知っているメロディ(生徒さんはまだ知らないもの)を用いて、ひとフレーズずつ、弾いて真似してもらう、などでも、生徒さんたちにそのスキルのための練習をしてもらえそうだな、とクラスを行いながら思いました。

生徒さんたちには、普段からこの練習をレッスンで取り入れていたのですが、目的は、『即興演奏技術のため』ではなく、『既存の譜面の初見演奏がより楽にできるようになるための練習』として、今までは行っていました。なんだか逆かしら?

次回は、その点についても、続きの記事として書かせていただきたいと思います!

今回もお読みくださり、ありがとうございました。ご感想など、お待ちしています。

ハロウィン前ということで、バレエの衣装屋さんで見かけたディスプレイの写真を、今回は添付いたします✨

私が着たら、しゃれこうべが横太りになりそうだわ!

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