米国ギルド・ピアノ検定試験
現在世界中で猛威を振るうCoronavirusの影響で、今月(関東では今週)に米国ギルド検定試験が予定されていましたが、周知の通り、アメリカから日本への渡航制限により、今月頭にアメリカ本部より、審査員派遣不可の通知がされました。私は以前から覚悟は決めてましたが、生徒に伝えると残念がったものの、幸いギルドには「ビデオ審査」という ”2nd Option” があったので、私の教室から参加する生徒は、全員ビデオ審査に流れました。子供生徒は、休校中でAuditionの曲に飽きてしまい、新しい曲をしたい状態だったので、1日も早く終わらせてあげるのが最善と判断し、ほぼ全員教室で撮影し終えた段階です。大人の生徒は異なる場所と良い楽器で緊張感をもたせたいからと、明日の最終日に会場で撮影する予定です。
生徒たちにも伝えましたが、Look on the bright side!じゃないですが、 ”2nd Option”があったのに救われましたね!的確なFeedbackや励みの場が、ピアノを末長く続けるのに大切です。審査員に会えないのは残念ですが、この状況下で実行出来るのは有難いことです。そして、指導者の方も動画撮影&アップしたり楽譜をPDFでまとめたりと不慣れなことやらで大変だとお察しします。私も今回22名の参加者中、18曲が1名、15曲が2名、11曲が1名、10曲が7名、8曲が2名、4曲が4名、3曲が2名、2曲が2名、1曲が1名でエントリーしたので、遂に動画アップ作業が昨夜夢にまで出てきました。・・・でも、プラスな面もしっかりあります!
上述したように、複数の生徒が沢山の曲を弾きましたので、勿論、Musicianship Phase(スケール、カデンツ、アルペジオ、移調、長音、初見、即興のそれぞれ一つを行うことで1曲弾いた事にして貰える)をやったので、ビデオ審査なら少々時間オーバーしても大丈夫になった=本人のスキルを最大限に見せれるぞ!と、移調は指定数を超えて本人の出来る限り全てやらせ、即興も同じコード進行で1つだけではなく2つやったりと、音楽家としてのスキルを磨くチャンスにもなりました。ジャズ部門の生徒には、Blues Scale / Blues Chord Progression / Blue Notes Scale を各演奏曲を弾く前に該当する調性で全て弾かせたり、聴音も生徒によっては、課題より少し高いレベルでハードルを上げて望ませたり、審査員の前で一発勝負なし=楽勝とならず、それなりにチャレンジングさのあるものに出来ました。
アメリカ的かもしれませんが、柔軟性・多様性あるこのAuditionは、先生次第で生徒にとって最高の物と出来ると考えています。そして、この試験に通訳はいないので、英語の実践の場にもなるため、英語が出来ない生徒には、英語で望ませるのも良いと思います。通訳無しで行うピアノ検定試験というのはなかなか経験出来ない事かもしれません。敢えて通訳無しとしている意図の一つには、よりアメリカの教育をリアルに身近に体験出来る事が狙いでもあります。
さて、ギルドのビデオ審査でどのように英語を学べるか(一例)を参考用に撮った動画をシェアします:
https://www.youtube.com/playlist?list=PLtZxnIeavt1d1_ZqezyeOpS_IHXCZP6lu
ギルド試験は、指導者の指導内容なども審査して頂けるので、日本ではなかなかない事ではないでしょうか。指導者側にもこうした定期的なfeedbackや励みはとても大切です。
画像は、18曲弾いた外国人生徒Aidenです。インターの子は、e-learningを自宅で行い、親子で大変な日々を送っていると聞いています。お友達のRyo君と一緒に即興したかった様ですが、レッスン日が異なるので、仕方なく一人でやった動画をシェアします:
休校中のうっぷんを表現したものです。アメリカ生まれの子で英語が母国語で第二言語が中国語です。日本語は出来ません。