英語でピアノ
コラム一覧へ

Performance

マリコ・アヴァネシアン

2026年6月13日 11:15 | マリコ先生の英語でピアノfromトロント

北の国からこんにちは!

紫陽花の色鮮やかな季節ですが、みなさんいかがお過ごしですか?最近は台風のニュースをこちらでも耳にしましたが、みなさんご無事でしたか?お天気が極端な様相な昨今なのでお気をつけくださいね。カナダも今年は異様に寒く6月に入ってやっと「暖かく」なってきた感じで、流石に子供たちさえ今年は夏が来た気がしないなぁって言ってます。うちは先週やっと屋内の熱帯系の観葉植物を外に出しました。5月は夜間に何度か霜が降りるくらい寒かったんですよ!

それでも夜遅くまで明るくてゆっくり夏至へ向かっています。

さてさて私はただいま7月の東京でのコンサートのために最終調整中で、といえば聞こえはいいですが、教室の年度末、先月末にした発表会、来年度のレッスンの準備、などが一緒くたに巻き起こっていて頭がぐるぐるしております。笑

昨年の10月のトロントでのコンサートに引き続き東京でも弾くと決めたので、この一年以上「演奏」ということをずっと考えてきたので今月は趣向をちょっと変えて、これについて深めてみようかなと思います。

結論から先に言うと、人前で演奏するしないに関わらず演奏のために準備するといこと自体が、自分の学びだけでなく誰かを教えるためにもとても大切で良いと言うのは、私が取り立てて言うまでもなく皆さんもすでにご実感されていると思います。

音楽を学ぶと言うことに必然的に含まれてくるものなんだな、と私は今更ながら実感しております。

と言うものまず楽器の操作というものは、やっぱり誰かに習ったほうが早く簡単に身に付く。もちろん自分で調律しない楽器として完成したピアノはそこにあればすぐ弾けるので、独学で学ぶことも可能です。確か何年か前にチャイコススキーコンクールで優勝したフランスのピアニストは、とても興味深い経歴の持ち主でピアノは独学で始めた人です。名前を忘れてしまったので、ご興味のある方は探してみてください。自分の経歴を語った面白い動画があって、常日頃「型に嵌った」クラシック音楽の教授法に「?」を感じている先生には、とても良い涼風になると思います。

あ、もう一つ付け足すなら、ピアノの先生が簡単には見つからない環境で生活している人もかなりいますよね。

今回教室の発表会を久しぶりにしたのですが、なぜ今まで「通年行事」として開催してこなかったかというと、単純に人前での演奏に拒絶反応を示す生徒さんがほとんどだったから、なんです。

私の基本方針は最初から変わらず、「やりたくないことは、やらなくて良い」

これで始めた当初は、もちろん「これで大丈夫なんだろうか?」といつも思っていました。つまり私が絶対に使用しないハノンやツェルニーを除けば、音階さえ嫌がってやらない子が大半だから、です。

これに関する疑問は私は自分が「やらされてきた」子供の頃からだき続けていて、IAA(インテグレーション・アレクサンダー・アカデミー)で学び始めたこの三年ではっきりと結論に辿り着きました。

結論というとそこで終わりでその後に発展性が感じられないので、私はあまり使わない言葉ですが、不必要な無駄を省くと言う意味で使っていますので、私の思っていることが皆さんと違っても、心配なさらないでくださいね。これは私が自分の経験から行き着いたところなので。

と言うことで、教室の発表会はやらないのをデフォルトにのんびりやってきました。時々お問い合わせでも、発表会がないということで入会を見合わせる方もいたので、やって欲しいご家庭があるのは知っていましたが、そのためにやりたくない人を無理やり引っ張り出す気にはなれなかったので、そのままになっていました。

その中でも学校の「タレントショー」などで弾いてみたい、弾いた、という生徒さんも出てきて、発表会やりたいな、という声が生徒さんから上がったのが今回の開催につながりました。

この過程で、私は今のお子さんたちがどういう状況で育っているのかもまざまざと感じて、私自身色々なことを経験しました。

日本ではピティナが一番有名ですか?

カナダはロイヤル・コンセルバトワールのグレード試験がスタンダードになっています。(アメリカはもっと違って州ごと、先生の協会が主催するものなどが多数あって、ちょっと様相が違います。)

つまりピアノを習う=グレード試験を受ける

が公式のようになっていて、ピアノを習っている小さいお子さんたちが、まず自分の意思でピアノを始めたか否かわからな以上に、グレード試験を受けたいか受けたくないか自己表明する前に気がついたら試験受けてた、という状況になっているのが現状です。

大抵の場合は、小さいので「体験談」の一つで済むことが多かったのですが、昨今はこれがちょっと変わってきて、点数に異様にこだわる競争のようになってきているのです。それでも小さければ点数の意味なんてわからないし、まず子供に言ったりしないのでしょうが、今度はそれ自体が変化してきているのです。

つまり物心ついた時にはすでに「誰かと比べられる」ということを知っていて、ピアノを習うことがそれに直結してしまっているのです。

そこにお家での練習に保護者の方がとても積極的だと、時々“飲んだらとても危険なカクテル“のようになってしまっていることが多いのです。

私の方針が「のんびり」なので、私が教えているのはリスタートするお子さんがほとんどということもあって、「人前演奏絶対拒否」症候群がとても多いのです。でも話をじっくり聞いてると、小さなハートがそれで辛い思いをしてきたと知って、私の胸は痛みます。

つまりやると決めたけど、2人とかじゃぁ発表会にはならないけれど、みんなの首に縄つけて引っ張っていくというわけにもいかない。

ジレンマってやつですね。

人前で演奏するしないに関わらず、まずピアノを辞めてしまった原因と再開すると自分で決めた理由は裏表一体なので、私の日々の仕事はそこを一緒にじっくり眺めながら解決していくという作業だったので、それが今回功を成した形で返ってきました。

つまり、みんなピアノ自体が嫌いだったわけではないんですよね。

しかも人前で演奏するときに緊張するのは当たり前。だってレッスンで弾くときだってちょっとは緊張してるわけだし。

これを一人一人解決しながら私は自分も一緒に自分の解決をしながら伴走したことになります。

ここには大人の世界が子供に与える大きな影響。それが子供を支える方に完全に切り替えられれば子供はどんどん変わっていきます。

大人になるとこれを自分でやるのですが、私はIAAで似たような経験をしてきた他の先生たちに支えられながらやってきました。

こういった過程に最初から足を踏み入れる必要がなければそれが一番ですが、それを全くしなくて済む環境で生活している人はほぼ皆無なのが現実です。だからそれを知ることができる「道具」とそれを使いこなせる経験がある、それができる人が周りにいるのは心強いことですよね。

発表会では、みんな自分それぞれの自分らしさのまま演奏してくれたんじゃないかなと思います。これが良い肥やしになってくれるか否かは私次第だとも思っています。

演奏することが、人に「聞かれている」から「人に聞いてもらっている」へ変わって、そしてそれがさらに「一緒に音楽を楽しんでいる」に変わっていくことを望みながら、夏休みを前にウキウキしているみんなの顔を眺めています。

演奏すること自体についてもっと切り込もうと思っていましたが、長くなってきたのでそれはまた回を改めてということにしましょう。

最後になりましたが、7月13日(月)は杉並公会堂小ホールで、7月24日(金)は五反田文化センター音楽ホールでの演奏会に出演させていただきます。出演される方は負傷などを乗り越えて来られる方もいらっしゃいますので、とても興味深い会になるとことと思います。どちらも平日ですが、もしお時間があればぜひお立ち寄りくださいね。夜7時開演です。こちらにコンサートの詳細についてのサイトを添付しておきます。こちらからチケット購入サイトへ飛べます。当日券もご用意しておりますよ!

それでは、来月は実際に日本でお会いできるのを楽しみにしております!

https://dandelion-zinc-06a.notion.site/2026-32220b30cf4580bbb134d58c41f84629