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オンラインレッスンへの移行、経緯を今一度振り替える。

こんにちは、ファーグソンかつみです。
みなさま、いかがお過ごしでしょうか?

ニューヨークはロックダウンから2ヶ月半ほどが経ちました。
オンラインのレッスンも、はじめZoom meeting app やSkype がまるで神アプリのように思えていたものが、だんだんと「もう少し音がよかったら良いのにな」とか「画像がもっとクリアであれば良いのにな」「同時に音が出せたら良いのにな。。」とか、更なる機能に期待してしまいませんか? それとも、それらの安全性などを気になさっているでしょうか?
それらはまるで、演奏する楽器のレベルを上げたいときのような心境だったりもするし、オンラインのレッスンを上げて生徒さんたちにより満足してもらいたいという気持ちだったり、たくさんの理由があります。

オンラインのレッスンにおいて、Zoom meeting application などのビデオ通信のシステムだけでレッスンはご満足な先生方は?
たぶん、いらっしゃらないと思います。

Zoom をなるべくレッスンに適しているように設定するだけでも大変だった私です。機械にとても強い先生方もいらっしゃるようですね!それでも、そういった方々はインストラクションを熟読されてたりして、かなりの時間をそれらのお勉強と実行に費やしていらっしゃる。

そうして得た知識を惜しげもなく分けてくれた、英語でピアノグループの先生方、勉強会をZoomで開始、継続して行ってくださる主宰者のかおりさん、本当にありがとうございます。
最近は、先日からお話に上っておりますNetduetto やJamkazam の機能を試しつつ、先生方とトライアルをしたりしてお勉強しています!

日本では、各地でビジネスや学校がすでに再開されていたり、またはコロナ拡大の第2波への懸念から再び外出自粛となった市町村もあるようですね。詳しくではありませんが、日本から発信されるニュースを見ていると、かなり市町村によっても状況や対応の仕方が異なる印象です。

きっと、オンラインレッスンを行いながらも、強く対面のレッスンのほうにこだわっていらっしゃる先生もいらっしゃると思いますが、どうでしょうか。私も実はそうなんです!出来るものならば対面でレッスンをまた一日も早くしたいです。
安全のほうを重要視し、仕方なく腹をくくってオンラインレッスンに切り替え、その後、経験してみなければわからなかった興味深さや面白さに触れることが幸いできました。

ここをお読みの先生方は、どのような流れでこのパンデミックの時期を過ごしていらっしゃったでしょうか?

コロナ新型肺炎の感染と死者数のピークを降りた今、自身のオンラインレッスンに切り替えた経緯について、流れを整理してみます。

※3月1日日曜日にニューヨークでは初めてのコロナ感染者が確認された。市内ではなくて、郊外。市内の生徒さんも、郊外の生徒さんもまだ通常の対面レッスンを行った。いつも、出張でレッスンをするときは、除菌薬などを必ず手に塗ってから行っていたので、引き続きそれに気を付けていれば問題ないと判断し、続けていました。

※3月8日、たったの一人だった感染者数から、一週間で州内感染者が100人以上に。
ちょうど出張レッスン先だったウェスチェスターの方でそのうちの80%以上。その辺りに住む新しい生徒さんに、トライアルクラスを断られてしまう。
オンラインにレッスンを切り替える先生もちらほら現れ始めた。私は、まだこの病気をインフルエンザのように思ってしまい、じきに収まればいいな、という感覚でいたのですが、これらのキャンセルでご父兄が対面のレッスンに少なからず不安を感じていることを知った。
※3月15日日曜日、感染者が100名以上に増えてしまったその一週間後、感染者はなんと792人に。そのつぎの日から学校は閉鎖に。
その週にウェスチェスターの生徒さん(ご両親ともドクター、毎日感染者の診療にあたっている方) が、「Schools might reopen after this Autumn… It’s bad one.. so terrible!」と。次週からの対面レッスンを断られてしまった。

この時点で、オンラインレッスン切り替えを決断。

溢れる情報に晒されていたなかでようやく、私自身はどれだけコロナウィルスによる被害が大変な状況のものなのかを、医療の現場にいる方々の一声で生々しく知り、納得するに至った。

ニュースでは無症状で感染している人がとても多いとのこと、まさか私が誰かにうつしてしまったら、どうやって責任を追うのか?もし生徒さんやご家族の命をそれらで失ってしまったら、一生自分の選択を責めて過ごすことになるのか?教育者の最大のプライオリティは、「安全」だということ、今一度思い返し、その週にお会いする予定だった生徒さん全員ひとまず対面レッスンをキャンセルした。
週末をトライアルレッスンのし直しのようなつもりで、Zoom meeting を使ったオンラインレッスンを即刻開始。それぞれの選択にまかせましたが、結果的にレッスンをストップしてしまったご家庭もありました。

※3月22日日曜日、前の週の感染者数792人から、20,909名に。二桁越えです。
オンラインレッスンへの切り替えは、ギリギリ間に合ったのか、それとも自分はすでに感染してはいなかっただろうか、その間に誰かにうつしていなだろうか、考えては恐ろしくなる日々を過ごしていました。音楽仲間の数人もこの間に感染して回復したりした。

※3月29日日曜日、感染者数59,513名。この週から二週間ほどがnightmare のようでした。毎日のように、名前を知っている人の訃報を2人~3人ずつ毎日聞きました。気持ちの浮き沈みが激しくて、ほとんど眠れませんでした。

世間では、特定の職業や地域の人の死亡率や感染率が話題にされていましたが、個人的には「音楽家たちの感染&死亡者のなんと多いことか!」と思ったものでした。狭くて換気のよくないライブ会場やパーティ会場、劇場等で、毎日演奏の仕事に勤しんでいた方たち、演奏キャリアも神々しくて、そして高齢の素晴らしい奏者の方々。

※4月5日日曜日、感染者数122,031名。どうか子供たちも親御さんたちも無事で・・と祈る毎日。大袈裟ではなくて、「お元気ですか?」がご挨拶じゃなくて安否確認のような気持ちで発する言葉のような気もするくらい。この週も、毎日700名以上の方がお亡くなりになりました。

この次の週も、毎日500名以上の方が。。。若い方々の重篤なケースも。その後の、あり得ないほどの感染者数と死者数はニュースなどでご存じかと思いますが、5月27日現時点でニューヨークは感染者数36万人以上、死者数は2万数千人です。まだ感染者がこんなにいるなんて。。一体いつになればこの事態がおさまるのだろう?

。。とまぁ、ニューヨークはこういった状況です。Wish me luck! Wish us luck..!!

※このような中で、生徒さんたちの発表会をなんとかしてできないものかと思い、6月中頃にZoomでのビデオ鑑賞型発表会を行うことにしました。

Zoom meeting はまだあまりにも音質がいただけないので、ご家庭でビデオを撮影してもらったものを収集、ヴァイオリンのお子さんに関しては、まず無伴奏で弾いたものを撮影してもらい、それに私があとから伴奏をし、ビデオ編集したものを、参加者とご家庭のみでZoom meeting からコンテンツシェアの形でbroadcast する、という形をとります。
テレビ番組のように、奏者の紹介をしてから演奏の映像を流し、参加中の本人にZoomでインタビューしたりする。拍手はZoomの👏👏👏👏👏スタンプが炸裂しそう・・。

行う時間帯は二つ設定。。生徒さんの故郷のご家族にも鑑賞していただけるように、日本時間、ニューヨーク時間、中国時間、インド時間、全てにちょうど良い時間帯はどうしてもひとつに算出できなくて、朝方と夜とで二度に分けることにしました。

みなさんの、オンラインクラスに移行した経緯とその後はどうだったでしょうか。対面レッスンの再開の目処はたちそうですか?

オンラインでの発表会を企画された先生方、もしいらっしゃいましたら、ぜひお話をお聞かせくださいませ!きっと、色々なやり方があるのだろうと思います。

今回もお読みくださりありがとうございました。
ファーグソンかつみ
☆画像はズーム越しに会っている生徒さん8歳。ベート-ヴェンのピアノソナタとマクダウェルの小品を練習しています。

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