コラム一覧へ

アメリカのテキストに見られるジャズ的要素①

皆さまはジャズ・ピアノを習った、または独学で勉強したことがありますか?

ここで言うジャズ・ピアノとは、ジャズ風にアレンジされた既製のピアノ譜を弾くことではなく、メロディーとコードだけのリードシートを見て、自分でアレンジしたり即興演奏をすることです。

私の周りで非常に多いのが、「ジャズピアノ挫折しました」というクラシックの先生、実は私も20歳くらいの頃、一度ジャズピアノを挫折しました。

その時は、自分から習いたいと始めたわけではなく、カワイの電子ピアノのデモンストレーターに選ばれて、その研修として確か半年ほど無料でジャズピアノのレッスンを受けられました。 

音大ではなかった私は、楽典などほとんど勉強していなかったし、コードは電子オルガンで弾いてたシンプルなものしか取れず、メジャー、マイナーのスケールさえ、全調スラスラ弾けない状態だったので、いきなりジャズ理論、コードプログレッションの全調練習、いろいろなスケール、コードやスケールに基づいて即興演奏、、、無理でした^^;

何よりその頃はドリマトーン(カワイの電子オルガン)に夢中でしたし、地味なジャズよりロック、ファンク、フュージョンでした♫

でも歳を重ねるうちに、ジャズの曲や大人っぽいアレンジが心地よく、「どうして紙切れ一枚の楽譜からそんなふうに弾けるんだ?」と、だんだん憧れが強くなり、でも一度挫折してるし、、、となかなか始められないでいた時にJacob Koller氏のライブに行きました。

こじんまりとしたカフェでお客様は10数名ほど、小さな電子ピアノを持ち込みでやっていたのですが、「電子ピアノでなんでこんなかっこよく弾けるの???」とかなり驚き感動したことはよく覚えています。

ライブが終わって少人数だったので本人と話せて、さっそく体験レッスンを予約しました。

ちょうどその頃、英会話スクールにも行き始めたところだったので、英語でジャズピアノレッスンは一石二鳥。

しかも始めてみたら、ジャズと英語には通じるものが多くて、若かったころとは違う視線で捉えることもでき、苦手な理論や全調練習も少しずつですがこなしていくことができました。

よく音楽と言語の関係について言われることですが、クラシック音楽はハキハキとしたイタリア語やドイツ語、ジャズはアメリカ英語のアクセントやグルーブに基づいているということを、実感できるようになりました。

それに気づいたころから自然とアメリカ英語とイギリス英語の発音の違いもわかるようになりました。

そしてジャズピアノをやって一番よかったと思うことは、「恥ずかしがらずに自分なりの表現をする」ということができるようになったことです。

「即興演奏」と「英語で話すこと」は、私にとってはとてもよく似ていて、なかなかスラスラ出てこないし、言いたいことも未だに半分くらいしか伝えられない、でも、それでも、他人の言葉でなく自分の言葉で表現し伝えようとする努力をすることを面白いと感じられるようになってきました。

「間違えてもいい、失敗もあるある、でも大丈夫!とにかく恥ずかしがらずに自分で考えて、自分の表現でやってみよう!」

これ、どうですか?正に生徒さんに言ってることではないでしょうか?

特にピアノアドベンチャーやPiano BOPのようなアメリカのテキストを使っていると、こういう場面がたくさんありますね。

楽譜に書かれていることを正しく作曲家の指定した通りに弾くことも大切ですが、自分で作曲したり、伴奏を考えたり、即興演奏をするというのは、従来の日本のピアノテキストではほとんど見られなかったことでした。

ヨーロッパやロシアのテキストでも、このような要素は少ないと思います。

アメリカのテキストにはアメリカの文化であるジャズの要素が多く取り入れられていて、個性を尊重し自分の意見を自分の言葉で述べるという、音楽以外の教育でも尊重されていることが、自然とピアノテキストにも取り入れられたのではないでしょうか?

だから以前の私のように、先生自身が「即興演奏は苦手、変なこと弾いたら恥ずかしいし」と感じていては、生徒も同じように萎縮してしまうと思うのです。

英語も同じで、真面目な日本人は「発音が、、文法が、、、」と萎縮して話せないことがよくありますが、「間違えてもいい、自分の言葉で伝える!」ということを念頭において、「とにかくやってみる」の精神でいることが何より大切だと感じます。

ジャズピアノを始めたころ、即興演奏のときによくジェイコブに言われた言葉。

「Try !Try !」

「Don’t be afraid !」

「Explore !」

これって人生において全てに通じる言葉ですよね♫

今日は精神面を書きましたが、次回から、実際にアドベンチャーなどのアメリカのテキストに取り入れられているジャズ的な要素を紹介していきたいと思います。

写真はPiano BOPのJacob Koller氏の前書きです。

ぜひ参考して頂けたらと思います。

コメントする